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朝食の役割 |
大人の脳の大きさは平均して体重の2%くらいであるのに、エネルギーの消費利用は身体全体の20%くらいです。そして、脳は通常ブドウ糖をエネルギーとして使っています。脳の1日当たりのブドウ糖消費量は約120gです。ですから脳には必ず1日当たり最低120gのブドウ糖を送ってやらなければならないということになります。 血液中のブドウ糖の総量はせいぜい5gくらいで、この程度ですと1時間働いたらなくなってしまう量です。それでは困るので、ブドウ糖をグリコーゲンに変えて肝臓に貯蔵しています。食事をすると肝臓の中に大人で一回最大限60gくらい貯めることができます。また筋肉や他の臓器にも蓄えることができますが、いざという時には肝臓のグリコーゲン以外は役に立ちません。 ところがブドウ糖を使う臓器は腎臓など脳以外にもたくさんありますから、じっとしていても最低1日40g不足します。すると頭のために2回食べて、頭以外のために1回食べないといけないことになります。眠っている間は、身体のエネルギー量は20%くらい減りますが、脳自身は全然休んでいません。起きているときも休んでいるときもエネルギーの使い方は全く変わりません。ですから、たとえば晩の6時に食事をして、肝臓いっぱいにグリコーゲンを貯めたとしても、朝の6時には12時間立っていますから、単純計算しますと、脳がその間に60gのブドウ糖を使いますので、肝臓の中のグリコーゲン減ってが血糖値も非常に低下します。 血糖は100mg/100mlより少し多めの方が、脳にブドウ糖が入りやすく、70mg/100mlくらいになると脳にブドウ糖が入りにくくなって、頭が働かないということになります。 そういう意味で、ぜひ朝ごはんは必要です。 (『頭のよしあしは食事で決まる』中川八郎・心斎橋お米塾C) |
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