『焼き味噌の想い出』
焼き味噌を召し上がったことがありますか。そうです、味噌を焼いて食べるのです。名の知れた焼き方には朴葉味噌というのがありますが、私が昔食べたのは、専用の味噌焼き皿があって、それに味噌を詰めて焼くのです。その皿は、直径5〜6センチ、深さ1センチくらいだったでしょうか、子供の頃は見たものが大きく感じられるので、実際はもっと小さかったかもしれません。いとじりに穴があいていて、白味噌をいっぱいに詰めたら、穴に火箸を通して火の上にかざします。皿がくるっとひっくり返って、味噌の入っているところが火の方に向いて、しばらくすると香ばしい匂いが漂ってきます。 表面のこげたところの味がなんとも言えないものでした。もうとうに亡くなった、貧乏所帯の切り盛りに明け暮れていたおばあちゃんの得意料理でした。
(あわぞう さん) |