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箸の歴史
箸が食べるための道具として使われ始めたのは、紀元前三世紀ころの中国といわれています。日本では弥生時代(B.C.300〜A.D.300)に稲作とともに伝わってきたと考えられています。
「魏誌倭人伝」(A.D.300頃)には日本人は手を使って食べる、と書かれていますが、宮中や貴族の間ではすでに箸が使われていたのでしょう。
奈良時代から、箸の使用は一般化していきますが、最初は現在の朝鮮半島で使われているように、箸と匙(サジ)の両方が使われていたようです。
日本における箸の記録としては「古事記」(712)の「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」の伝説の部分に「須佐之男命(スサノオノミコト)が川のほとりで箸が流れてくるのを見て、上流に人が住んでいることを知った」と書かれているのが最初です。古代の箸は一本づつバラバラでなく、ピンセット状だったようです。
また、金属、象牙、玉、銘木のような高価な耐久性のある箸も一部では使われていましたが、大半は使い捨ての簡単な木製の箸だったと思われます。最も簡単なものとしては、ただ枝を切りそろえただけの箸だったのでしょう。
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